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君の笑顔

第29章 嵐の予感 ~ウラ~

「あ、ウラ、スケ。まだいたんだ。」



ドキッ



声を聞くだけで、ドキドキしてしまう。


「あぁ、片野か。なんか、和樹ののろけ話散々聞かされた挙げ句、溝口と二人で帰っちゃって、置いていかれた」

陽介がそういうと、片野はケラケラと笑った。



何もいうことなく、俺はただその笑顔を見ていた。



「あさみも最近のろけばっかり聞かされるんだよね~」


そう言って片野は荷物をまとめた。


「この通り、帰りも一人になっちゃったしね~」

口を尖らす。
その仕草がかわいい。


「じゃあ、バイバイ」

片野は俺たちに手を振ると、スタスタと一人で帰っていった。



「さてと、」
陽介が座っていた机から降り、時計を見る。


「やべっ、もうこんな時間?帰んなきゃ」
陽介は慌て出した。


「なんかあんの?」


「あぁ、なんか18時に荷物が届くから今日は早く帰ってきてくれって親に言われた。」
そう言っている間に陽介は荷物をまとめ終えた。


「そっか、お前んち母さんも仕事してんだよな。」


「そうそう、じゃ悪いけど先帰るわ。」

じゃあなと手を振ると陽介は荷物を持ち、小走りで出ていった。

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