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君の笑顔

第34章 強引なきもち ~片野 泉~

「ちょっと、沢村!きいてんの?!」


チクッ


鎖骨の辺りに小さな痛みが走る。


え?



沢村は顔を上げて私をみる。


この目に捕らえられたら……

もう為す術がない………


「俺は、忘れない、諦めないって言ったよな。」


沢村の迫力に圧倒されてしまう。


「俺の印。付けといたから。」

沢村はそう言ってさっき痛みが走った鎖骨を指でなぞる。


「…ん。」

また身体がゾクッとする。


「さ、遅れたら怪しまれるから。早く飲み物取りに行こう。」


沢村は壁から手を離し、にこっと笑った。


初めて、

沢村を怖いと思った。

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