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君の笑顔

第35章 ズルくなる ~ウラ~

「あと1ヶ月、日本に帰ってくるのが早ければ、なんか変わってたかな。」



ぽつりとつぶやいた優の顔は、もう笑っていなかった。




「……さぁ」




俺はうまく返事が出来ないでいた。




「でもさ、」


優は座りながら
俺をじっと見た。




「俺は諦めないよ。」



何を言われるかは分かっていたが、それでもやはり、胸に優の言葉が響いた。



「わかったって。」




気にしてないかのように

俺は言葉を放った。



「それに、ウラも……



たまには、

ズルくなってみたら?」

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