君の笑顔
第2章 新しい風 ~陽介~
「陽介!」
「なに。」
俺は無愛想に返事をした。
「今日、学校にいって先生に会うから、用意して。」母さんは忙しそうに言った。
「え、あ、分かった」
どうして、いつも急に言うんだよ…。
新しい我が家に溢れる段ボール。
母さんは、引っ越しが決まってから今までずっとせわしなく動いている。
まぁ、仕方ないか…
母さんにとっても急な事だったんだろうし。
「今日は、暖かいわよ~。10月っていうと仙台じゃあもう冬を感じるのに、やっぱ東京は違うわね。」
母さんは軽く化粧しながらそう言った。
「そうだね。」
10月。
中途半端な時期。
夏休みの記憶もなくなりかけ、すっかり2学期って時に転校するなんて、目立って仕方ないだろうなぁ…。
「さ、行きましょう」
そういって母さんはドアを開いた。
心地のいい風が身体を駆け抜ける。
初めて感じる、東京の、新しい風。
「すごい近いのよ、学校。山谷中学校ってところなんだけどね。」
「そうなんだ」
――東京のわりには、思ってたより緑が多いな
オレは母さんの話を適当に答えながらそんなことを思った。
この場所で
どんな人と出会うのか期待と不安を抱えながら俺は山谷中学校へ向かった。
「なに。」
俺は無愛想に返事をした。
「今日、学校にいって先生に会うから、用意して。」母さんは忙しそうに言った。
「え、あ、分かった」
どうして、いつも急に言うんだよ…。
新しい我が家に溢れる段ボール。
母さんは、引っ越しが決まってから今までずっとせわしなく動いている。
まぁ、仕方ないか…
母さんにとっても急な事だったんだろうし。
「今日は、暖かいわよ~。10月っていうと仙台じゃあもう冬を感じるのに、やっぱ東京は違うわね。」
母さんは軽く化粧しながらそう言った。
「そうだね。」
10月。
中途半端な時期。
夏休みの記憶もなくなりかけ、すっかり2学期って時に転校するなんて、目立って仕方ないだろうなぁ…。
「さ、行きましょう」
そういって母さんはドアを開いた。
心地のいい風が身体を駆け抜ける。
初めて感じる、東京の、新しい風。
「すごい近いのよ、学校。山谷中学校ってところなんだけどね。」
「そうなんだ」
――東京のわりには、思ってたより緑が多いな
オレは母さんの話を適当に答えながらそんなことを思った。
この場所で
どんな人と出会うのか期待と不安を抱えながら俺は山谷中学校へ向かった。