君の笑顔
第43章 追い討ち ~陽介~
「別に紗也、三浦くんの気持ち、変えたいんじゃないから。」
俺がイライラとしている中
鈴木は力強い声で言い放った。
もう顔を上げる気力さえ湧かない俺は、黙って鈴木の声を聞いていた。
「分かってるよ、三浦くんがどれくらい和泉のこと好きなのか・・・。
そんな三浦くんを見てて好きになったんだし。
でもね、誕生日祝いたいっていう紗也の気持ちは、三浦くんが誰を好きでいよと関係のないことでしょ。」
いつもの間延びした話し方をする鈴木はそこにはいなかった。
いたのは、
好きな人のことをただひたすらに想う、純粋な一人の女の子だった。