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彼と心と体と。

第1章 彼



懐かしい。
拓海の匂いがする。

あたしは拓海の肩に顔をうずめた。



「華?」



この声はもっと前から知ってる。
特徴なんかほとんどない声なのに。
覚えてる。



「ねぇ拓海、なんであたしなの?」


「わかんない」



まただ。
拓海はいつもわからないと言う。

答えをくれない。



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