僕等の恋愛事情
第6章 気持ち
その日の帰り道、那智から珍しく誘われて一緒に帰っている
「健ー…どーしよ…」
「あぁー?」
「…手繋いでない」
「ほう」
「もう1ヶ月たつのに」
「ふーん」
那智がすごく落ち込んでいる
励ましの言葉をかけるのが苦手な俺は曖昧な相づちしかうてない
「キス…拒んでしまった」
「は?」
俺はびっくりした
長谷川さんからキスに誘われたのにそれを拒んだ…?
「なんで?」
「え?」
「なんで拒んだんだよ!!?」
俺は気付いたら那智の胸ぐらを掴んでいた
気付いたときには遅かった
那智は物凄く悔しそうに
「真里が思い浮かんだんだ…真里を裏切るような気がしてできなかった…」
俺は感情がおさえられなくなった
カッと身体中が熱くなるのが自分でもわかった