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ポーカーフェイス

第5章 視聴覚室で

「てか、なんであんたがここに居たの?」


本棚の向こうの人達に聞こえないように小さな声で、首だけ回して問う。


「えー、あんたじゃなくて千里って呼んでよー。そしたら答えるよ?」


いたずらが成功した直後の悪ガキのように、ニヤッと含みある笑いをする。


「わかった。千里、なんでここに居たの?」


私はなんの躊躇いもなく名前を呼ぶ。


千里は私のあっさり加減に驚きの表情を見せたが、すぐにニヤニヤと笑い始めた。

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