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KISSからはじめよう

第1章 智、食事に誘う

「これおれの…時間合ったら…その…飯行きません?連絡…して…」

はい、と言っておれの携帯番号を
革の表紙の手帳に簡単にメモを挟む

「あれ?」
ずいぶんさらっと受け取ったことに驚く

「え?なんですか?」
「イヤ…なんでも…」
「では」

そう言うと
スーツの彼女は立ち上がり
少し使いこんだA4サイズがすっぽり入る
大きさの鞄を肩に提げて部屋を出て行く

電話を終えたマネージャーは
彼女に頭を下げている

「では、次…メンバーと合流です」
「りょーかい」

マネージャーから言われ
撮影用の衣装を脱ぎ
いつもの漁サンに履き替える



おれは
移動の車で仮眠を取る

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