先生が教えて。
第26章 待ち続けて
「うわわわ、やばいっ!
先生の私が遅刻しちゃうー!」
ストッキングに足を通しながら時計をチラチラと見る。
「愛梨!早くしねぇと電車遅れるぞ!」
「分かってるって!!
あ、裕太!
戸締りよろしくね!」
バタバタと玄関に向かい、靴を履く。
玄関のドアを開けようとしたその時。
グイッ
「んっ」
裕太が私の唇に触れるだけのキスをした。
「もーっ!
本当に遅れるから!
じゃあね!」
「帰ったらもっと激しいのするから」
ニヤニヤと笑う裕太。
「バカっ!」
バタンッ
勢いよくドアを閉めると、私は走って駅に向かった。