先生が教えて。
第28章 戻れない事
「まっ、
俺も人の事言えないんだよね」
「…?」
どういう事?
「俺もさ、今他に好きな奴居るんだ。付き合ってる。同棲もしている。」
え…
頭の中が真っ白になった。
「だから、さ。
これでおあいこな。
これから俺らはただの他人。」
そう言って総司は席を立つ。
ガラッ
ドアを開けて、
出て行く際にこう言った。
「やっぱり教師と生徒なんかが結ばれるわけないよな」
ピシャン
動けない私の背で、
ドアの閉まる音がした。
それはまるで私と総司の関係を断ち切る様に、無残に音だけを響かせて断たれた。