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先生が教えて。

第36章 影2





* * 総司side * *








黒髪が、揺れた。





「ねぇ先生…
いつも、誰のことを見ているの?」






「どういうことだ?」





「私を通して…誰を見ているの?」






「別に誰も…」





「ふぅん…」









不意に…いつしかの愛梨の姿が思い浮かんではすぐ消えた。
もう4年も前の出来事ではないか。






夕暮れの教室、
机に腰掛ける彼女に注意をすることもなく、俺は教卓でプリントの採点をしていた。



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