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私のはぐるま

第5章 解放

目が覚めると見慣れた天井だった。


どのように帰宅したのか記憶がない。


全て夢だったのだろうか。


優南はけだるい身体を起こす。


目に入ったのは、腕についた赤黒い痣だった。



「夢じゃなかったんだ・・・私は勇さんに抱かれたんだ」



忘れたくても、忘れられない心の傷となった。




プルルル・・・


携帯がなる。



恐る恐る携帯を見るとそこには同僚の哲也からの着信だった。



「もしもし・・」



「あ!やっと出た!なんかあったのかと思って心配したよー。会社にも連絡ないし、電話しても出ないし。」



「あ・・・ごめんなさい。」



時計を見て驚く優南。



「もう10時じゃない!本当にごめんなさい。今から急いで行きます。イタっ・・・・」



慌ててベットから降りると体中に激痛がはしる。




「おい!?どうしたんだ?大丈夫か?部長には、取引先に直行したって伝えてあるから今日は休め!」




「でも、そんな嘘すぐばれちゃうよ。ちゃんといくから」




「痛いんだろ?そんな身体でこられても仕事にならないよ。俺に任せておけって!じゃ、お大事に!」




そういって、哲也は電話を切った。



「ちょ・・・もしもし?」



「プーップーッ・・・」



「切れちゃった・・・。はぁ、あたし何やってるんだろ」

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