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オタクのペット

第10章 好きだ、愛してる

「トシコ…俺…予想外に…おまえを…好きらしい…」

へっ?

私は口に入れながら、永田を見つめた。

「束縛するけど…優しくするから…許してくれよな…」

へっ?

私はツルッと口元から永田の相棒をはずして、もう一度間近で永田の顔を見つめた。

鼻の頭と口元に汗かいてる。

「なんだよ」

「今、永田らしくない言葉を聞いた」

「俺らしくないとは、侵害」

私は鼻を摘ままれた。

ほらまた、永田らしくない優しい笑顔。

「あんたの笑ってる顔って、不自然」

私も永田の頬を摘まんだ。

「…う~ん…もうはっきりこれからは言うわ俺…愛してるから俺の側に居てくれって…」

「…ビックリだ!」

「…ビックリか?」

永田は私の横髪の先をクルクルと巻きながら、言った。

「最初に見た時から、可愛いって思ってたんだよね…」

「嘘っ」

「俺のモノにならないかなぁ~とか思っててさ…う~ん…意地悪してた」

「嘘、嘘っ」

…チュッ…

「本当の話」

永田は私の目をずっと見つめたまま、しばらく黙っていた。

どうしよう…。

この人、マジだ。

結婚する前に、元旦那が私に見せた時と、同じ目をして、私を見ている。

…私は、再婚なんてしない。

本気で愛せるかどうかも、不安なんだけど。

いいの?永田…。

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