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ドリームSEXカフェ

第4章 魅力的な手


―――――――…



『お客様…茶葉のほう…』



は……




夢……


目の前の砂時計は…
砂が…下に落ちきっていた



「…あれは…夢…?」



クスクスと店員は笑い…
砂時計を回収していく…


『…あれは…貴方の…理想のセックス…
叶わぬ願望をリアルに実現した…不思議な世界…』



「…いろいろと矛盾していますね…」



そうですね…

と店員はカウンターに入った…



紅茶をカップに注ぐと…


今まで、コーヒーの香りが充満していたカフェが…
嘘のような…爽やかな…紅茶の香りに包まれた…



「…夢だったのか…現実だったのか…どうでもよくなるな…」



『…お客様の…かばんの中は…楽譜ですか?』


紅茶を飲みながら…
かばんの楽譜に目がいった…



「ええ…私…ピアノ教室の講師でして…
この楽譜は今日…教え子が教室に忘れて行ったものです…
小学生の教え子でしてね…」


かばんの中から…何気なく楽譜を取り出した…





え……


木下 ユキ





楽譜の裏に書かれた…名前を見て…



紅茶を飲む手が止まった…



ユキ……






まさか……


彼女は…数年後の…ユキ…




ゾクゾクと…背中に鳥肌がたった…



「フフフフ…小学生…か…
将来が楽しみ…じゃないか…
来週のレッスンは…教え子の顔を一人一人見て…やりますか……」



俺は紅茶を口にし…


自分の手に食い込んだ指の後に気が付き…


微笑んだ…


===END===

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