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嘘х恋

第10章 本能。


―――――――――

ピーンポーン


『………麻衣子…』

「えへへ、きちゃった」

目をパンパンに腫らした麻衣子が、切なく笑う

「あ、昨日のことだったら気にしないよ!

もう、話してなんていわないからさ〃
不安になったりもしない。



ただ…ただ葵くんの側にいたいの。 」


『麻衣子…』


「こんな事言ったら、葵くんはあの人のところに行けなくなっちゃうよね…」

『……』

「ずるいんだ。
麻衣子は、葵くんの弱いとこにつけこんでさ、 『麻衣子…それはちがう』

「違わないよ?!
今だって、ほんとは…焦って、頭んなかぐちゃぐちゃで、どうやったら葵くんが麻衣子を見てくれるか、どうやってつなぎ止めるか、考えて計算して…!
やな奴なんだよ…
同情だってなんだっていいから、側にいてもらうために必死なんだよ…!」

『麻衣子、聞いて…?』

「…………」

『あの人とは、
もう会わない。

僕が大切なのは、麻衣子だから…! 』



「葵くん…」


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