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あたしは被害者

第2章 裏と表


あたしはネクラ男子に
顔を近づける。



「ちょ、

泣きそうじゃん!

やめなよ男子……!」



胸ぐらをつかんでいた
男子の手首を

そっと両手でつつむ。


そして、ゆっくり
力を加え、
小刻みに震えてみる。


「えー?
こんなの遊びじゃーん」

「本気にすんなよぉ」


そう言って男子は笑顔になり、
手を離した。




これで


どちらにも好感がもてる。


ネクラ男子にも
加害者男子にも

周りでみていた
うざ女子や男子にもね。


正義感も強くて
ノリよくてなんでもできて
可愛いあたし。


もうほんっと完ぺき。



「も、もぉ!

……大丈夫?

泣かないでぇ…

まじ男子最悪だよね!
弱いものいじめかよー!

ちょ、も、もらい泣き
しちゃう……ん」


「あははっえみぃ〜!」



ほら


これ



あたしの力。

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