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あたしは被害者

第7章 そこで見てなさいよ



きしむ階段を
ゆっくりと下りていく。


白いソファに横たわり
寝息をたてるママ。


「またそんなとこで寝て……。
風邪引いちゃうよ、ママ?」



呼び掛けても返事はない。

爆睡か。

このままずっと寝とけ。



ソファの真横に置かれた
ピンクのトートバッグに手を伸ばす。

中にはあたしと同じ機種の
携帯と、
他社のガラケー。


彼氏との通話専用の携帯だ。

このまっピンクのガラケーで
何度もキモい電話をするとこ、

毎日毎日見てきたんだもの。
知ってる、そのくらい。


開いて履歴を確認する。


『着信履歴』

『1,桶川さん』

『6時30分』


今からおよそ
20分も前の着歴。


ゴクリと唾を飲み込む。


相手が寝ていないことを祈り
通話ボタンを押した。



『トゥルルルー
トゥルルルルーー……』


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