大人の恋は、慎重に。
第6章 Ⅵ
なんとか無事
資料も整い、
休憩室で寝ているはずの田村を起こしにいく。
『たむらぁ。』
……ノックをしても反応がない。
『おーい、常務くるよ?』
中入って様子を伺う
『もぉ…スーツしわしわじゃんかぁ。』
無防備に眠る田村は、同い年だけどなんかあどけなくって、つい笑ってしまう。
「杉並…」
『ん?起きた?もう集会はじま……っ!』
え?
フワッと手を握る田村の視線は、まっすぐ私に向けられてて…
「……いくなよ、
合コンとか…」
・・・・。
『…な、なんで知って…
あ。麻理ちゃん!?
もぉおしゃべりなんだから(笑)』
なんか、いつもの田村じゃないから、焦ってしまう。
「杉並は…
仕事、だけでいーじゃん。」
ん?
『な、なにそれ!
いいでしょ、合コンくらい。田村に関係ないじゃん!』
ぱしっと手を振りほどく。
仕事だけって…
なんによそれ!
私だって!
私だって…恋…したい…?