カメラマンと私の日常。
第1章 第一章
「ニノかっこいーー!!!!」
「きゃああこっち見たよっ!!!!ねえ!!!!」
ファンの子達からの歓声が飛び交う中心には、今人気のあるアイドル―嵐の二宮和也がいた。
「しかしまあすごいですねえ…」
俺より後に来た後輩が呟いた。
「…いつもはもっとすごいからな」
俺が言うと、後輩は信じられないとでも言うように肩をすくめた。
俺は、某テレビ局で働いているただのカメラマンだ。
けれど、ここにいる誰1人―
いや、大勢のファンの中で堂々と立っている二宮以外は知らないだろう。
俺と二宮が幼なじみであり、俺が二宮の人には言えないであろう秘密を知っているということは。