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愛してるから。運命だから。

この恋は歪んでいるので、
そんな綺麗ごとの感情だけで成り立っているわけではなかった。

綺麗ごとではない私の感情。

それは、怯え。


決して許されないことをしていた。
普段の生活を脅かす行動。

それだけに互いのことを知らない方が割り切って上手くいくと思っていた。

でも、誤算が生じる。
彼は本気になりすぎた。

自分の仕事を疎かにしてしまうぐらいに。
わたしは仕事を一生懸命してる人が好きだよと言ってたけれど、ブレーキが聞かないようだった。

連日の電話、メールが過剰な内容になっていく。

約束の日は絶対に会えるの？
会えなかったらどうするの？
他の日に休みは取れない！
じゃあ無理にでも仕事終わりに時間作って？
無理なら時間見計らって家に行ってもいい？行くから住所は？
自分で自分をどうすることもできない。辛い…。

私は問いかける。
…そんなに辛いなら終わりにした方が？

ますます彼は過剰になる。

住んでるところ、探し出すから。


…どうしよう。
…私は怯える。
自分の生活が今すぐに壊されてしまうなんて、恐くて仕方がなかった。


ある日抱き合っている時に聞いた。
…もしかしたらバレてしまえばいいと思ってる？

「…ハイ」
憎めない笑顔であなたは答える。

笑顔で怒る私。


でもあの時、
私は本当は、
怯えていたんだよ。