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人魚

第9章 トライアングル

三人は…庭先で、花火をしながら
この時を楽しむかの様に
無邪気にわらいあった。


真夜中にさ しこむ月光を背中に
夏生は、家を出た。


『また明日ね、歌音、蒼っ』

自転車に股がり
後ろを振り返りながら
手をふった。


背中は小さく闇にきえた。



蒼は
歌音の腕を掴み
家に入る


歌音は顔を下にさげたまま


腕をどんどん引っ張る彼の
背中を悲しくも
嬉しくも見つめる歌音

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