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ふしだらと言わないで

第3章 初めての恋の続き

「行っちゃやだ…」
「ごめん」



 親の事情で彼は引っ越す

 私は誠司に心を奪われた
 付き合って2ヶ月、初めては夢のような愛され方で初めてなのにイクという感覚を覚えてしまった



「ごめん
電話するから」



 誠司は謝る
 彼は悪くない
 でも離れるのが嫌だ

 遠距離恋愛なんて
 上手くいく気がしない

 こんなにカッコイイのだからあっちに行っても絶対モテる



「いやだよ…」
「愛してる」



 多くの日々に埋もれる
 めまぐるしい毎日が誠司の中から私を忘れさせていく



「うっ、うっうっ…」



 私は自分だけが悲しいみたいに泣き続けて誠司を見送った

 好き、とも、愛してる、とも言えずに最後まで私を勇気づけてくれる彼に対して笑うことができなかった

 泣き崩れた私の頭を撫でる
 優しいキスに身を委ねる

 抱きしめ合った

 そして誠司は行った










 その2ヶ月後

 私たちの遠距離恋愛は、くしくも交際した期間と同じ時を迎えて、気持ちが離れてることを痛感し

 儚くも終わった

 私から別れを切り出した―…

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