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FREE BIRD

第52章 逢瀬の時に

「えっ⁈」

誠さんは驚き豹変した。


「分かった。直ぐ行くから」


電話を切り私を悲しく一瞥した後、床に転がった服を拾い慌てて着る。


「ごめん、美穂さん。息子が怪我したらしいんだ」


「えっ?大丈夫なの?」


「分からない。今直ぐ病院行かなきゃ」


「ええ、行って」


誠さんは財布から一万円を取り出し、テーブルに置いた。


「美穂さんはゆっくりして。後で連絡する」


「お金なんかいいから、早く行ってあげて」


「ああ」


そう返事しながらもお金はそのまま、コートを着込みながら、部屋を出て行った。

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