テキストサイズ

妖艶怪

第9章 第九章



泣きそうになるのを
必死にこらえて
手の中の卵を見る。


ん…???


その卵は
オクターの子ぢゃなかった。
殻が青くない。
白みたいだけど
真珠にそっくりな
色と艶と輝きがあって
日光をキラキラと反射する。

オクターの子ぢゃない…
オクターの子、ぢゃない…
つまり、、、?


ユーヤ??!!


びっくりして
卵を落としかけて
背筋がひやっとした。


危ない危ない…


アタシはトイレから出て
卵をタオルに乗せ
ストーブをつけて
部屋を温かくした。

人間と妖怪の子ども
ってどんな子が
出てくるんだろ。
何を食べるのかな。
ユーヤに似るかな、
アタシに似るかな??



でも



ユーヤになんて説明するの?
人間は確か卵で産まない。

アタシが妖怪だって言うの?
そしたら…
ユーヤはきっと逃げていく。
それが人間として普通。

とりあえず…言わないでおく?

卵ってどれくらいで
成長するんだっけ。
最終的どのくらいの
大きさまで成長するんだっけ。

あ~もうっ!
ママがいれば…

すべてはオクターのせい。
オクターがいなければ…

ストーリーメニュー

TOPTOPへ