妖艶怪
第9章 第九章
ぼぅっと
卵を温めていると
ユーヤが帰ってきた。
急いで卵を隠す。
おっおかえり!
「ただいまー
なんか隠した?」
何も隠してないよ♪
「ふ~ん。
なぁお腹減ってない?
なんか食いに行こう」
あ…あ、そうだね!
お腹減ったぁ
ユーヤはまた
出かける準備をする。
お腹、確かに減ってるけど
人間を食べに行く訳には
行かないよね。
外に出ると
少しだけ雪が降っていた。
「おっ雪。
どーりでこんなに寒いわけだ
今日から12月だもんな」
そう言って
ユーヤがアタシの手を握る。
全く寒くないけど
ユーヤの手は温かくて好き。
ぎゅっと握り返す。
ユーヤは微笑み返してくれる。
今だけは
ユーヤのことだけ考える。
今だけは…