
誰を愛したっていいだろ?
第1章 キスを見てしまったわけだが
固まった。
多分それまでの人生の中ではダントツで、身体が硬直した瞬間だったと思う。
AVやらエロアニメやらでは見たことのある、男が片手で女の両手首を壁に縫いつけている、あの感じ。
壁が靴箱の側面で、女のポジションは浩だったけれど
その体制で二人は口づけ合っていた。
接吻なんて甘っちょろい表現だと思うくらいの、濃厚なキスをしていた。
昼休みが終わったばかりの。
中学校の。
昇降口で。
二人とも女子にはモテるやつら(両方中性的なイケメン)で、すごく意外だ。
とか、俺が考えられるのは、まだちょっと先だった。
「・・・ぅ・ン・・・は、ぅ・・・」
どちらからともなく漏れた声が、俺にも微かに聞こえてきた。
その光景を目の当たりにしてしまった俺は、ただただフリーズしていた。
「あー、ユウも見ちゃったか~・・・」
「ぉわッ!?・・・なんだアツかよ・・・」
俺のフリーズを解いたのは、耳元での囁きだった。
振り向いて顔を見て、ようやく気が抜ける。
「・・・ンだよ、人を化けものみてぇに怖がるんじゃねぇよ」
ポリポリと頭をかく、これまたイケメン。・・・そんなことより
「なぁ、アツ・・・あいつらって・・・」
視線を戻すと、キスは終えたものの、まだ抱擁しあっている。
「昨日までは、体育用具室だったんだ。」
アツは新しい雑巾を取りに行く体で、俺をその場から引きはがした。
「えっ・・・今までも、体育用具室であんなことしてたのか?」
「たぶん、知ってるのは俺だけだ。」
アツは、自分の長い睫に指を滑らせた。考えことをしているときのアツの癖だ。
「あいつら、体育委員だからな。・・・体育用具室のときは、あんなんじゃすんでなかった。俺は体育の松岡先生に小道具をとってくるよう頼まれたとき、現場に遭遇しちまった。」
「げ、現場って・・・」
「セックスの現場だよ」
「あ、アツ!!」
そういう言葉からはいかがわしい想像しかできない
ってこともあって、そのころの俺はアツの言葉に過剰に照れていたと思う。
「ったく・・・お盛んなこって。ユウも入れてもらったらどうだ?」
保健室につき、本当は必要のない新品の雑巾を2、3昧手に取ると、アツがニヤリと提案してきた。
「男同士は無理!!」
そのときの俺は全力で思っていた。
「だな。お前のBLなんぞ、萌えないもんな。はははっ」
多分それまでの人生の中ではダントツで、身体が硬直した瞬間だったと思う。
AVやらエロアニメやらでは見たことのある、男が片手で女の両手首を壁に縫いつけている、あの感じ。
壁が靴箱の側面で、女のポジションは浩だったけれど
その体制で二人は口づけ合っていた。
接吻なんて甘っちょろい表現だと思うくらいの、濃厚なキスをしていた。
昼休みが終わったばかりの。
中学校の。
昇降口で。
二人とも女子にはモテるやつら(両方中性的なイケメン)で、すごく意外だ。
とか、俺が考えられるのは、まだちょっと先だった。
「・・・ぅ・ン・・・は、ぅ・・・」
どちらからともなく漏れた声が、俺にも微かに聞こえてきた。
その光景を目の当たりにしてしまった俺は、ただただフリーズしていた。
「あー、ユウも見ちゃったか~・・・」
「ぉわッ!?・・・なんだアツかよ・・・」
俺のフリーズを解いたのは、耳元での囁きだった。
振り向いて顔を見て、ようやく気が抜ける。
「・・・ンだよ、人を化けものみてぇに怖がるんじゃねぇよ」
ポリポリと頭をかく、これまたイケメン。・・・そんなことより
「なぁ、アツ・・・あいつらって・・・」
視線を戻すと、キスは終えたものの、まだ抱擁しあっている。
「昨日までは、体育用具室だったんだ。」
アツは新しい雑巾を取りに行く体で、俺をその場から引きはがした。
「えっ・・・今までも、体育用具室であんなことしてたのか?」
「たぶん、知ってるのは俺だけだ。」
アツは、自分の長い睫に指を滑らせた。考えことをしているときのアツの癖だ。
「あいつら、体育委員だからな。・・・体育用具室のときは、あんなんじゃすんでなかった。俺は体育の松岡先生に小道具をとってくるよう頼まれたとき、現場に遭遇しちまった。」
「げ、現場って・・・」
「セックスの現場だよ」
「あ、アツ!!」
そういう言葉からはいかがわしい想像しかできない
ってこともあって、そのころの俺はアツの言葉に過剰に照れていたと思う。
「ったく・・・お盛んなこって。ユウも入れてもらったらどうだ?」
保健室につき、本当は必要のない新品の雑巾を2、3昧手に取ると、アツがニヤリと提案してきた。
「男同士は無理!!」
そのときの俺は全力で思っていた。
「だな。お前のBLなんぞ、萌えないもんな。はははっ」
