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異能者の望むもの

第6章 能力対抗戦

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今日は能力対抗戦の初日…。

午前の部には個人パートのそれぞれの一回戦目が、午後の部には団体パートの一回戦目がある。

どちらも一年生の試合だ。

ちなみにトーナメント表は当日に配られる。

「よう、境夜。頑張ろうな!」

「え、ええ。そうですね。要君」

周りに人がいないことを確認すると要に話しかける。

「ところで要。俺らのチームって強いのか?」

「まあまあだな。けど、意外と福は強いぞ。それにおまえは最強だ」

「えっ? あいつってそんなに強いのか?」

「まぁ。Aクラスぐらいの実力はある」

嘘だろ……。正直意外だ。福は弱いってイメージあったし…。へぇ、強いんだ。でも、Aクラスほどの実力があるならなんでこんな底辺のクラスに?

「じゃあなんでこのクラスにいるんだ? おまえもだけど」

「俺の場合は組織のためだ。組織はあの通り影で動くものだから弱いクラスにいたほうがなにかと便利なんだよ。福の場合は単に頭の問題だよ。ああみえてあいつ、勉強からっきしなんだ。だからあのクラスにいるんだよ。だから毎年能力対抗戦が終わったあとは福の奴、Aクラスにいるんだ。中学の時も結構注目浴びてたんだぜ、あいつ」

「へぇ。じゃあ力だけならAクラスにも匹敵するんだ」

「ああ。てか、Aクラスに匹敵するだけじゃなく力だけだったらAクラスの上位にまでいけると思うよ」

「ふぅん。じゃああの、野木村って奴は?」

「あいつはこのクラスの平均よりちょい上ぐらいだ。だからあんまり期待はしないほうがいいぞ」

「そうですか。ではそろそろ行きましょうか」

「そうだな」

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