テキストサイズ

いつまでも

第2章 はじまり

自転車をどかし、女性を支えて立たせた。

女性は、小さな声で

「ありがとうございました」

と言い、杖を使いながら去っていった。


彼女は、盲目だった。

点字ブロックの上に自転車があり、気付かずにぶつかったのだ。

彼女が行ってしまったあと、水色のタオルが落ちていた。

小さく
「うえの あおい」
と書いてあった。

とりあえず拾って、持ち帰った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ