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お金の関係

第23章 対等



充「どう思う?」

詩織「…どう思うもなにも…私が言える
立場じゃないから…」

充「それが詩織の答え?」

詩織「…はい」

充「そっか、わかった」

詩織「…」


言えなかった
本音を言えば断ってほしい
充の将来を考えれば絶対行くべきだった
それはわかっていた

だけど二週間でも離れたくない
充と一緒にいたい
でも…


充「…少し出てくる」

詩織「…」


でも言えなかった
過ぎた事、過去の事だったが
詩織の心には充に言われたある言葉が今
も忘れられず
ずっと残っていた

充のある言葉がずっと…


『俺とお前は対等じゃない』


借金がある時に言われた言葉

今はもう借金は返し終えたし過去の事
その時はお互い立場も違い
言葉のあやで…


詩織「…忘れなきゃ…早く…忘れ…なき
ゃ…」


必死に忘れようとした
だけど忘れる事は出来なかった

デザイナーとして若くして活躍する充と
資格もない、料理も出来ない自分
最初から自分と充は違う
対等ではない


昔も今も
それは変わらない…


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