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齟齬

第3章 3

カウンターから出ることなく

会釈だけかえし

2人を見送らなかった。




カクテルグラスを片付け

コースターをめくると

紗智子の前に

1枚の名刺が挟まれてあった。




『CLUB cherry blossom』





丸みを帯びた

ピンクの名刺には




名前と携帯番号。


住所も書かれていない。




男遊び好きな

飲み屋のママだろう。



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