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齟齬

第5章 5




指先の冷たさが

寝起きの僕の頬に

心地よかった。


「早めに帰るからね。

 いい子にしてて。」


まだ

パジャマ姿の僕を

見たことのない

ワンピースを着た母は

しゃがみこみ

僕の頭を抱きしめた。


「・・・く・・るしい・・よ。」



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