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運命に導かれて

第2章 結婚相手を探して

ディアナは思い出したように、男をふりきってベッドに駆け寄った。


母親が頭から血を流して眠っていた。

いや、意識がないのだ。


「お母さま!お母さま!」


ディアナは泣きながら半狂乱になって叫んだ。


男はまず、衣服が乱れたままのディアナを強く抱き締めた。

ディアナははっとして、電源を切られたかのようにおとなしくなった。


「大丈夫です、落ち着いて。病院までお連れしますから、あなたはまず、着替えていらっしゃい」

ディアナの耳元に、男の低い声が響いた。

まるで魔法のように、ディアナの心は落ち着き、言われた通りにした。

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