
許嫁から始まる恋
第3章 EPISODE #3
「はい、どうぞ」
テーブルに置かれた朝食。
そして、私は椅子に座る。
「いた、だきます。」
私は手を合わせ、箸に手を伸ばし
お味噌汁が入った茶碗に口をつけ、
一口飲む。
「美味しい…。」
いつもとは違う味。
冬馬が作ってくれる味とはまた別。
「今日からご飯は俺が作るから
ゆっくりしてくださいね?
あ、あとこれ。」
東雲家は私と冬馬でいつも交代で
ご飯を作っている。
今日からは鮫島 遙が作って
くれるらしいから少しは助かる。
そして、鮫島 遙は私の向かい側に
座り、バナナオレのジュースが入ったコップを
私に差し出す。
なんで私が毎朝、バナナオレを飲んでいる
事を知っているのだ。
冬馬が話したのかな?
