
許嫁から始まる恋
第5章 EPISODE #5
職員室には殆ど先生がいなかった。
なんせ、今日は午前中だけ。
多分殆ど帰ったんだろう。
俺もさっさと支度をすませて、
帰ろう。
今日は小春の両親に会いに行く約束も
あるからな。
「あの、鮫島先生。
今夜開いてますか?」
話しかけてきたのは20歳という
若さで学年主任になったと噂をされる
九重 雪萌(ココノエ ユキメ)先生だ。
「すいません。今夜はちょっと…」
俺は断り、苦笑をする。
内心、九重先生は二重人格そうだと
思う。
まぁ、どうでもいい。
「じゃあ、お先に失礼します」
俺は九重先生に頭を下げ、逃げるように
退散する。
