
許嫁から始まる恋
第8章 EPISODE #8
一人ずつ名前を呼ばれる。
私の名前もみんなと同じような声質で
呼び、朝のSHRが始まる。
「今日からこのクラスに
転入してくる人がいます。」
転入?今の6月に転入なんて珍しい。
教室の扉が開き、一人の男子生徒が
入ってくる。
イケメンだ。勿論、女の子達はざわざわして
黄色い声。
…あれ?なんかどっかで見たような。
見てないような。
私は入ってきた男子生徒を見て、
首を傾げながら見る。
「麻生 憂です。」
麻生 憂と名乗った男子生徒は
頭を下げる。
そして、顔を上げて笑顔をみせる。
女の子達はもうイチコロ。
…遥に似てる。
気の、せい?
