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恋の居場所

第21章 あたしの目を見て。



あー寒い..もう12月..冬なんてイヤ!


でも来週はイブだから許すけど







1年って早すぎるよ..





懐かしさにあたしは久しぶりに空き地へ来ていた







そして何ヶ月ぶりの″神沢 王史″がいつもの木の下に居た








「ひさしぶり」





「ん..だな」






一度目が合ったけどすぐにずれる目線



どうしてそんな目を平然とするんだろ







「どうしていつもその木の下にいるの?」





「俺の宝もんが埋めてある」





宝物?








「あたし彼氏出来たんだ幼馴染」





「そっか」







この人の無愛想には慣れてたけどいつもの無愛想じゃない








「あの家も出て行くね
1人暮らしする事にしたから」






「あっそ」







どうしてあたしの事見てくれないの...






「あたしの目を見てよ!!!!」





パッと不思議そうにあたしを見たけどすぐに目はそらされる






なんなのよ..




どうしてこんなに切ないの?





別に好きなんかじゃないでしょ?








「この場所にももう来ないから」





「うん」






おっさんの目の前にかがみ砂に文字を書く




こうして砂に文字を書くのも最後


こうしてここで会うのも最後







"さようなら"





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