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それでも、私は生きてきた

第46章 居場所じゃない

涙は出ない。
怒りも感じない。
笑うでもなく、泣くでもなく、
悲しくもない、苛立ちも無い。

その瞬間、
私は、
どんな感情を抱いた。と表現出来るだろう。


「無」
それが、
1番
近い感情だったように思う。



実家が無理なら、
どうして
迎えに来たの?



だって、刑事さんから迎えに来て下さい。って言われたから…身元引受人が生活の面倒見なくちゃいけないの?





脳味噌が破裂して、
耳の穴、眼球の隙間、鼻の穴、喉の奥から…
ドロドロと溢れ出てくるのではないか。

と、
不安になるほど、
脳に
得体の知れない衝撃を受けた。






私は、また、実家に帰れないの…?



ウチは、ユリの居場所じゃないよ………



消え入りそうな声で
お互いに
独り言のように、

つぶやき合った。

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