テキストサイズ

それでも、私は生きてきた

第51章 悲しみと期待

花束を抱えて戻り、

何年も渡せなかったから…
と、
祖母に花束を贈る。

花束がとても似合う祖母の笑顔。
次、渡せるのは何年後だろう…と、
悲しみも湧いてくる。


祖母と並んで夕飯の支度をする。

6時を過ぎた頃、母が仕事を終えて来た。

まだか…まだか…と、
私の心は拓也の帰りを望んでいた。
7時を過ぎても拓也の帰宅は無く、

着替えの服だけでも買いに行こうよ。明日、帰るのにジャージのままでも…ね?


と、母と買い物に行くことになった。

帰る

と言う母に、
なんだか
やり場のない怒りを感じながらも
買い物に行くことにした。

会社の制服だから、1度着替える。
という母とともに、
実家を訪れた。


実家に到着するも、
家の中は…
と、先手を打つ母に対し

別にいい。


と無愛想に答える。


玄関まではいいけど…ね?


と、
機嫌取りをするかのような母。


内心、玄関までは…に大きな期待の膨らみがあった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ