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それでも、私は生きてきた

第52章 ひとつの支え

チノとの再会を終えて、
母と出発をした。
身支度を整える為の衣類を探し、
ジーパンと花柄のタンク付きの真っ白なニットを選んだ。

学生の頃は、よく母と服の貸し合いをした。時々は、色違いで購入をし、お揃いをすることも恥なく好んだ。


黒、着る?

考えて発した言葉でも無く、
当たり前のような感覚で母に色違いを勧めた。


えーお母さんも買っていいの?お揃い?

照れくさそうにしながら昔のようにお揃いを喜ぶ母を見て、急に恥ずかしくなった。

派手なデザインじゃないし。黒なら着やすいでしょ。白がイイなら交換するし。

そっけない態度を取りながらも、母に勧めた。

結局、
お互い照れながらも
お揃いのニットを購入し合った。

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