抱かれる日々
第12章 籠の鳥
「優美ちゃん感情なんてないって言ってたけどそれは違うよ
きっとどこかで助けてって思ってる」
違う違う違う思っていない感情なんて持っていない何も感じない
「優美ちゃんは自分から殻に閉じこもってる」
「うるさいうるさいうるさいあたしは何を思っても逃げられない
あなたにとやかく言われたくない」
怒鳴りつけた末走って部屋を飛び出してしまった
何故あんな人に言われなきゃならない?
平然と幸せそうに暮らしているあんな奴に何故...
同情だ。
"クスススススッ"
"御前は私の鳥の籠さ フフフッ"
黙れ黙れ黙れ黙れ
おまえを殺してやる
二度と喋れないようにしてやる
その時ドカッと誰かにぶつかった
「あ、優美さんどうされました?」
悪魔の執事である沢田だ
今すぐにでも目の前の人間を殺したい
「沢田さん刃物か何か持っていませんか?」
"そうよ、早く殺せ"
「持っていますよ」
スッと果物ナイフのような物を差し出してきた
やっと出来るんだ
殺す事が出来るんだ
鞘からナイフを抜いて腕を振り上げる
サッッと深く切れる音がした
目の前が真っ赤だ..
あたしやっと出来たんだ....
「アハハハハハ..」
「優美...さん.....」
真っ赤な霧雨がきれいだ