テキストサイズ

抱かれる日々

第14章 鬼畜


治療が終わった




顔は傷だらけ切られた部分には何重にも包帯が巻かれている




小指がなくなっているのは分かるけどどのような形になってしまったんだろう







鏡で自分を見たけど目の前に居る人物が誰なのかも分からない








「なああんた」






振り向くと扉にもたれている鉱輝様が居た




いつもに増して不機嫌そうな顔で煙草を加えている








「何で"助けて"が言えねーの?
今すぐ俺に言えよ」







「助けて..? 無駄な言葉ですね

それを言った所で世界中駆け回っても逃げ切れないのだから」









まず、金持ちのお坊ちゃまに出来る事なんてない




その上自分の父親なんだから








「俺には出来るけどな」






言い残すようにして部屋を出て行った





あの人の言葉と細い笑みは何を語っているのか分からない







初めてここに来た時は泣き叫んでいた




今では想像も出来ないと思う









"助けて"...この一言で人生なんて変わりますか?



ストーリーメニュー

TOPTOPへ