
本当の恋
第8章 …ついてる?
そう思って…
私はストラップを外してしまった…
嬉しかった。
隅岡君がストラップを付けててくれて…
嬉しかった。
だけど…
きっと隅岡君はただの気まぐれだろう…
浮かれている自分が恥ずかしくなった。
少し期待してしまった。
私とお揃いなのにつけていたから…
でもそんなの私の…
私の勝手な思い込みで…
そんなことを思っていたら…
私は教室から出ていた。
「え!? 海!! どこ行くの!?
もうチャイムなっちゃうよ!!」
雪がそう言っている…
私は振り返りもせずに歩き続けた。
そうして向かった場所は一回の1番端にある空き部屋。
そこはたまに雪と来ていたところだ。
午前中はよく日が当たる。
まぶしいくらいに…。
まぶしいからかはわからないけど…
何か頬を伝うものがあった。
