小心者の恋事情。
第7章 己の気持ち。
「ラーメンでも食って帰るか?」
お気楽なバイトの俺らは、土方を残して職場を後にする
『せっかくシャワー浴びたのに。匂いつくからやだね!』
ったくこいつは。
どこまでも自己中で奔放で。
゛もう少し一緒にいたい。゛
この言葉を発することすら虚しくさせる雰囲気を作りやがる。
『せっかく筋トレしたんだし、たんぱく質とんなきゃ!蒸し鶏とかどーよ?』
「え…?」
『って…もう2時じゃん!店開いてねーなぁ。
しゃーないっ!ウチで作ってやんよ、』
「…………は?」
『腹減ってんしょ?
まもちゃんお腹すいたら無口になる(笑)』
…………そんなことは、ないけど。
ウチって、栞菜の?
こいつから誘うことなんて
今まで一度もなかった。
少なくとも俺を男として認識してるって思ってたけど…
ついに男でもなくなっちまったってことか?
『まぁもぉたぁんっ!聞いとる?』
「あ、あぁ…じゃ、そーするか…」
それとも、
こいつも俺のこと好きになって…
『胸肉さ!グラム28円だったから5枚入りパック買っちゃったんだ~!さすがに飽きた(笑)』
………相手は所詮栞菜だ。
ブラジル産だろーがなんだろうが食ってやるよ。