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愛のため。

第78章 部屋。

最初で最後だと思っていた彼の部屋。


あれから何回訪れることになったのだろう?


不思議だね。


あの日が最初で最後の過ちだと思っていたのに


彼は彼女と別れてしまい、


結局私は何度も幸せな時間を彼の部屋で過ごしている。


彼と一緒にDVDを観たりお酒を飲んだり、彼にご飯を作ってもらったり。
抱きしめあったり。


このまま幸せな時間がずっと続けばと思うけど、いつもすぐに帰る時間に。


今日も行くよ。
晩御飯はなんだろう?


かけがえのない時間だから、
どの瞬間も大切に。


次はいつになるのか?
わからないんだから。

次があるのかどうか?
それすらもわからないんだから。


だから私はいつも覚悟しながら、
彼を抱きしめて深呼吸する。

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