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Pour mon cher -涙の先に-

第62章 愛とLOVEと北斗七星

俺はコンビニに向かって歩き出す。




‥‥振り返ると。




そんな俺を愛はベンチにポツンとつったったまま俺を見る。


その姿がまるで捨て犬のような顔で、また可笑しくて笑いがこみ上げる。




「早く来いよ」


「‥え?」


「“ピザまん”食うんだろ?」


「‥‥はいっ!!」




嬉しそうにニッコリ笑って俺の元へ駆け寄る。



「奢りですか?」


「コレのお礼。」




愛から貰ったプレゼントを少し持ち上げ顔の前に翳す。



「ほら、行くぞ」



顎で刳ると、横にちょこんと並んで歩き出してふわふわした笑顔を俺に向ける。



マジで子犬みたいだな。



笑ってしまいそうなのをグッと堪え愛と並んでコンビニへ向かう。




“良かった”



の意味を聞こうとする言葉は喉まで出掛ってたんだけど。



でも、俺はその言葉を呑み込んだんだ。




俺はどの道、もうこの街から離れる事は決まってしまったし



何より



“良かった”


その真意を聞く勇気が沸かなくて、ヘタレ根性丸出し。



でも


ピザまんがそんなに嬉しいのかニコニコの愛を隣りで見ながら



今、この一瞬を幸せに感じたい。




そう思いながら並んで歩いた。








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