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Pour mon cher -涙の先に-

第69章 優しさと愛の向こう側

猛司は私の腕を引っ張って近くにあった椅子に座らせる。


猛司も私に向き合うように座って、相変わらず眉間に皺を寄せたままの顔。



…えっと‥


何でこんな怒ってるんだろ‥?


私が体当たり的な事しちゃったからかな。




「ごめんなさい。急に‥「何があった?」




え‥?




私を一定に見つめ静かに口を開く。




「何って‥?」


「何があったんだ?」



再度同じ事を聞かれる。



「泣く程の事があったんだろ?」



すっかり引いた涙の跡を指差されて



「だから、何があったんだ?」



さっきまでの険しい顔から優しい顔になって“教えてくれ”て言う猛司に




「‥・先輩と別れました」



と応えた。









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