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Pour mon cher -涙の先に-

第73章 Pour mon cher -涙の先に- Ⅱ

ぎゅっと力を入れて愛の手を握ると、愛もぎゅっと力を入れ返して俺の手を握る。



この何でもない事が凄く幸せに感じる。



どれだけこの手をまた握りたいと思った事か。


どれだけこの手を放した事を後悔した事か。



彼氏彼女なんだから手を繋ぐのは当たり前。


そう言われたら終わりなこんな行為さえも例えようのない幸福感に包まれる。



当たり前の事すら最初の時は気付かなかった。


自分の事ばっかで、自分の辛さを愛に八つ当たりして。


本当に最低だった。


それでも俺に変わりない温もりを与え続けてくれた愛。



俺は愛のお陰で変われた。


愛が俺を変えてくれたんだ。




だから‥・。




「着いたよ」


「‥・‥えっ‥」











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