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Pour mon cher -涙の先に-

第73章 Pour mon cher -涙の先に- Ⅱ

猛司はニヤッと笑って



「うん。知ってる」



私の髪の毛をワシャワシャと両手でぐしゃぐしゃにしながら




「行ってくるわ。



じゃぁな」




軽く頭をポンと叩いて私から背を向け歩き出した。




私は急いでグシャグシャになった髪の毛を手櫛で直して猛司の背中を見つめる。







1度。



お互い手を離しちゃったけどもう大丈夫。


何の確信もないけどそう何故か思う。



だからなのかな。



私が離れる事に不安がない理由。









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