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Pour mon cher -涙の先に-

第73章 Pour mon cher -涙の先に- Ⅱ

その笑顔は堪らなく愛しくて大好きな笑顔。



私が一目惚れした優しい笑顔。



その笑顔を向け左右に手を振り続ける猛司に

何度目か分からないけど、今日も再び恋に堕ちる。





「猛司!!」



大声で名前を呼んで



「行ってらっしゃーい!!!」



ベンチから立ち上がって大きく両手で手を振った。



猛司は1度、ふわりと笑顔を向けてまた背を向け駅の中に入って消えた。






行ってらっしゃい。

猛司。





蒼く澄んだ空を見上げ




「愛してるよ。猛司」




小さく呟いた。







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